次亜塩素酸を活用した空間除菌脱臭機として注目される、日立のジアクリンとPanasonicのジアイーノ。
この記事ではジアクリン(ZP-GA1000T)と比較するジアイーノのモデルとして、主に2025年発売の新型F-MV5000Cとその上位機種であるF-MV6000Cを比較していきます。
ジアクリンとジアイーノはどちらも高性能ですが、実は除菌アプローチから機能設計まで違いがあります。
- 除菌方式の違い
・ジアクリンは次亜塩素酸水を加湿フィルターに浸透させて除菌、放出(湿式)
・ジアイーノは空気を洗浄、気体状の次亜塩素酸を放出(乾式) - フィルター構造とお手入れの違い
・ジアクリンはアレルオフHEPAフィルター+脱臭フィルター+ステンレスフィルター(3重構造)、自動お掃除あり
・ジアイーノは静電HEPAフィルター+除菌フィルター(2重構造)、自動お掃除なし - 除菌中の加湿と加湿性能の違い
・ジアクリンは除菌と共に加湿される、加湿モードはパワフル
・ジアイーノは湿度をほぼ変えず部屋が濡れない、加湿モードは控えめ - 消費電力、電気代の違い
・ジアイーノ方が消費電力が低く、電気代が低め - 消耗品の違い
- 対応畳数の違い
・ジアクリンは、~42畳とかなり広い空間を除菌加湿可能
・ジアイーノは上位モデルで、~26畳
どっちがおすすめかですが、
日立のジアクリンがおすすめな人は、
- 広いリビングなど、とにかく広々した空間をしっかり除菌・加湿したい人
- フィルター掃除などの手間はなるべく減らしたい人
- 冬の乾燥対策として、パワフルな加湿性能を求める人
- フィルターはなるべく長期間交換したくない人
Panasonicのジアイーノがおすすめなのは、
- パソコンや電子機器が多い部屋向け、除菌中の加湿が必要ではない人
- ペットや生活臭対策として、脱臭性能も重視する人
- なるべくコンパクトで省スペースに置けるモデルが良い人
- 電気代はなるべく抑えたい人
どちらも優れた空間除菌脱臭機能を持っていますが、目的や使う場所によって選び方が変わってきますよ。
本文にて両モデルの違いをさらに詳しくお伝えしますね。



ジアクリンとジアイーノの違いを比較
まずはジアクリンとジアイーノの違いをわかりやすく表で比較しますね。
1つずつ詳しく紹介していきますね。
ジアクリンとジアイーノの違い①:除菌方式の違い
比較項目 | ジアクリン | ジアイーノ |
---|---|---|
除菌の仕組み | 吸い込んだ空気を次亜塩素酸水を含んだ加湿フィルターを通して除菌放出 | 空気を除菌フィルターで洗浄・放出 同時に次亜塩素酸も放出して空間を除菌 |
除菌対象 | 空気中の菌・ウイルス・ニオイ成分 | 空気中の菌・ウイルス・付着菌・ニオイ成分 |
空間への放出形式 | 湿式:加湿空気として放出、除菌と加湿を同時に実施 | 気化式(乾式):空気を濡らさず安全に放出 |
特徴 | 加湿も同時に行う、湿度・結露への配慮が必要 | 空間を濡らさずに広範囲を清潔に保てる |
日立のジアクリンとPanasonicのジアイーノとの除菌方式は、一見すると「どちらも次亜塩素酸で空気を除菌する」点で共通しています。
でも、除菌方法には違いがありますよ。
◇ジアクリンは、次亜塩素酸水を浸透させた加湿フィルターに、吸い込んだ空気を通すことで除菌します。
加湿フィルターを通すので、除菌と加湿を同時に行う設計です。
◇一方ジアイーノは、吸い込んだ空気を次亜塩素酸水を含ませた除菌フィルターで洗浄した後、気体状の次亜塩素酸を空間に微量放出することで、空間も除菌します。

画像出典:パナソニック公式
放出される次亜塩素酸は気体化されており、空気中の塩素ガスの環境基準(0.5ppm*)より低い濃度で安全です。
次亜塩素酸を安定的に連続して放出するので、空間を脱臭する能力も優れていますよ。
空間を濡らさず、付着菌やニオイ対策にも強いのがジアイーノの特長です。
- ジアクリンは「吸い込んだ空気を次亜塩素酸で除菌して放出する」
- ジアイーノは「空気を次亜塩素酸で洗い、さらに次亜塩素酸を放出して空間全体を清潔に保つ」
ジアクリンとジアイーノの違い②:フィルター構造とお手入れの違い
比較項目 | ジアクリン | ジアイーノ |
---|---|---|
構造 | アレルオフHEPAフィルター+脱臭フィルター+ステンレスフィルター | 静電HEPAフィルター+除菌フィルター |
フィルターのお手入れ | 月1 自動おそうじ機能もあり | 月1 |
日立のジアクリンとPanasonicのジアイーノは、それぞれフィルター構造に違いがあります。
◇ジアクリンの「アレルオフHEPAフィルター」は、フィルター自体に「アレルオフ成分」が塗られています。
これにより、捕集したスギ花粉、ダニのフン、ネコのフケなどに含まれるアレル物質の活動を抑制します。
また、自動お掃除機能でプレフィルター(ステンレスフィルター)のほこりを日々お掃除してくれるため、月1のフィルターお掃除も比較的楽ですよ。
お手入れや消耗品の寿命重視ならジアクリンがおすすめ。
◇一方ジアイーノの「静電HEPAフィルター」は静電気の力で微細な粒子を吸着します。
花粉やPM2.5、チリ・ホコリ、ウイルスなどの有害物質を捕集する高性能なフィルターです。
一般的なHEPAフィルターと違い、静電気の力を併用するため集じん力が長持ちする特徴がありますよ。
ジアクリンとジアイーノの違い③:加湿性能と空間への影響の違い
比較項目 | ジアクリン ZP-GA1000T | ジアイーノ F-MV5000C | ジアイーノ F-MV6000C |
---|---|---|---|
加湿量 | 約550mL/h 最大800mL/h | 約210mL/h | 約650mL/h |
加湿範囲 | ~22畳程度 | ~6畳程度 | ~18畳程度 |
◇ジアクリンは除菌中も約550mL/hの加湿性能、加湿モードを強にした場合は最大800mL/hと、高い加湿力を備えています。
◇ジアイーノ F-MV5000Cは空間の湿度をほとんど変えずに除菌をするため、電子機器の多い部屋や湿度変化を避けたい環境に適しています。
加湿能力も210ml/hと控えめです。
◇上位モデルのジアイーノ F-MV6000Cは約650mL/hと非常にパワフルな加湿能力を持ち、冬場の乾燥対策に強く、リビングや広めの空間でも十分に潤いを与えられます。
- 湿度変化を抑えて除菌中心で使うならジアイーノ F-MV5000C
- 加湿も重視するならジアイーノ F-MV6000C、またはジアクリン
という選び方がおすすめです。
ジアクリンとジアイーノの違い④:電気代の違い
比較項目 | ジアクリン | ジアイーノ |
---|---|---|
消費電力 | 最大90W | 最大60W |
年間電気代(目安) | 約1,800円 | 約1,200円 |
※年間電気代は1日8時間、自動運転での使用を想定した目安です。実際の使用状況によって異なります。
長く使う上で気になるのが、電気代や交換部品などのランニングコスト。
ジアイーノは、消費電力が抑えめで電気代も低くなっています。
電気代を抑えたいならジアイーノがおすすめです。
ジアクリンとジアイーノの違い⑤:消耗品の違い
比較項目 | ジアクリン | ジアイーノ |
---|---|---|
主な消耗品 (カッコ内は交換の目安) | ・ナトリウム包 ・アレルオフフィルター(約10年) ・脱臭フィルター(約10年) ・ステンレスフィルターは交換不要 | ・塩タブレット ・除菌フィルター(約5年) ・静電フィルター(約5年) など |
ジアクリンのフィルターの方が、耐用年数が長くなっているので、なるべくランニングコストをかけたくない場合はジアクリンがおすすめと言えます。
ジアクリンとジアイーノの違い⑥:対応畳数の違い
比較項目 | ジアクリン ZP-GA1000T | ジアイーノ F-MV5000C | ジアイーノ F-MV6000C |
---|---|---|---|
除菌・脱臭対応畳数 | 最大約42畳 | 約22畳 | 約26畳 |
加湿適用範囲 | ~13畳以上対応 | ~6畳程度 | 木造:約11畳 プレハブ:約18畳 |
適した空間 | リビング、広めの空間 | 寝室、個室、ペットスペース | 広めのリビング、乾燥が気になる部屋 |
◇ジアクリンは、最大42畳まで対応できる大型モデルで、リビングや家庭内の大空間に適しています。
(※家庭用としての使用に限られ、業務用や医療施設での利用は想定されていません。)
◇一方ジアイーノ F-MV5000Cは、最大22畳までの空間に対応しており、寝室や個室、子供部屋、ペットスペースなどにぴったり。
小型で場所も取らず、家庭内の限られたスペースに適しています。
上位モデルのジアイーノ F-MV6000Cは、除菌・空気清浄で約26畳まで、加湿は木造で約11畳/プレハブで約18畳まで対応。
広めのリビングや乾燥対策を重視する家庭に適しています。
ジアクリンとジアイーノの違い⑦:サイズの違い
比較項目 | ジアクリン ZP-GA1000T | ジアイーノ F-MV5000C | ジアイーノ F-MV6000C |
---|---|---|---|
サイズ | W360×D278×H669mm | W360×D220×H580mm | W398×D240×H710mm |
重量 | 13.3kg | 8.6kg | 11.8kg |
ジアイーノ F-MV5000CはB4サイズに収まるコンパクトな作りとなっています。
重量も、ジアイーノの方が軽いですね。


ジアクリンとジアイーノの共通点
日立のジアクリンとPanasonicのジアイーノとに共通する良いところを紹介しますね。
ジアクリンとジアイーノの共通点①:高い除菌・脱臭効果
どちらの製品も、次亜塩素酸(HOCl)を活用して空気中の菌・ウイルス・ニオイを除去する力に優れています。
ジアクリンとジアイーノの共通点②:空気清浄+加湿の複合機能
単なる空気清浄機ではなく、加湿機能も搭載している点が共通です。
どちらも次亜塩素酸で空間除菌をしながら、お部屋を加湿することができます。
ジアクリンとジアイーノの共通点③:自動運転・センサー制御
どちらもニオイ・湿度・汚れを検知するセンサーを内蔵しており、自動運転で快適な空間を保ちます。
人感センサーやおやすみモードなど、省エネ&快適性を両立するスマートな運用が可能です。
ジアクリンとジアイーノの共通点④:安心の日本メーカー製&信頼性
日立とPanasonicという、日本を代表する大手家電メーカーによる製品であることも共通点のひとつ。
設計の信頼性・アフターサービス・パーツ供給など、長く使う上での安心感があります。
ジアクリンはこんな人におすすめ
日立ジアクリンがおすすめな人は、
- 広いリビングなど、とにかく広々した空間をしっかり除菌・加湿したい人
- フィルター掃除などの手間はなるべく減らしたい人
- 冬の乾燥対策として、パワフルな加湿性能を求める人
- フィルターはなるべく長期間交換したくない人

ジアイーノはこんな人におすすめ
Panasonicジアイーノがおすすめな人は、
- パソコンや電子機器が多い部屋向け、除菌中の加湿が必要ではない人
- ペットや生活臭対策として、脱臭性能も重視する人
- なるべくコンパクトで省スペースに置けるモデルが良い人
- 電気代はなるべく抑えたい人


ジアクリンとジアイーノの違いを比較|まとめ
Panasonicジアイーノと日立ジアクリンを比較して、その違いをお伝えしてきました。
- 除菌方式:
ジアクリンは電解水を加湿フィルターに浸透させて除菌(湿式)
ジアイーノは空気を“洗って”、気体状の次亜塩素酸を放出(乾式) - フィルター構造とお手入れ:
ジアクリンはアレルオフHEPAフィルター+脱臭フィルター+ステンレスフィルター(3重構造)・自動お掃除あり
ジアイーノは静電HEPAフィルター+除菌フィルター(2重構造)・自動お掃除なし - 除菌中の加湿と加湿性能:
ジアクリンは除菌と共に加湿される、加湿モードはパワフル
ジアイーノは湿度をほぼ変えず部屋が濡れない、加湿モードは控えめ - 消費電力、電気代:
ジアイーノ方が消費電力が低く、電気代が低め - 消耗品の耐用年数:
ジアクリンの方がフィルターの耐用年数が長い - 対応畳数:
ジアクリンは、~42畳とかなり広い空間を除菌加湿可能
ジアイーノは上位モデルで、~26畳 - サイズ:
ジアイーノの方が、奥行きが少なく省スペース。B4サイズに収まるコンパクト設計。
それぞれがおすすめな人は、
- 小〜中規模の部屋で、省スペースで除菌・脱臭をしたい方はジアイーノ F-MV5000C
- 広めのリビングで、除菌と加湿の両方をしっかりカバーしたい方はジアイーノ F-MV6000C
- さらに大きく広いリビングや空間で、加湿をしっかりしながら空間除菌をしたい方はジアクリン ZP-GA1000T
コンパクトなサイズで電気代を抑えたいならジアイーノ、より大空間を除菌加湿したいならジアクリンが適していますよ。



コメント